・特殊な印刷の切手

2019年9月28日 (土)

暗号切手(仮想アイテム付き切手)続報

Crypto1
 前回ご紹介した暗号切手(仮想アイテム付き切手)に関して、新たなアイテムを入手しましたのでご紹介します。

 まずは、最初の画像の「台紙」です。この切手を郵政サイトの通販等で購入した場合は特に台紙は付いてなかったようですが、オーストリア国内では、画像のような黄色い台紙にセットされて発売されていたものがあったようです。

 次は、「消印付」です。
Crypto2
 オーストリアの特殊素材切手に関しては、初日印付の切手の消印がスタンプインクではなく、しっかりとした加刷になっているケースがあります。これまでに陶器製切手、ガラス製切手、革(合皮)製切手、木製切手について、こういった消印付切手が確認されており、このブログでもご紹介しました。
 今回の切手もプラスティック製の特殊素材のため、おそらくしっかりとした加刷の「消印付」切手が発売されている可能性が高かったのですが、残念ながら郵政ですぐに売り切れたため購入できませんでした。先日、ようやくebayで2枚購入できましたのでご紹介します。
 消印部分を拡大したのが下の画像です。赤い半円の"WIEN"局の消印が付いていますが、スタンプインクではなくしっかりとした加刷で消印が付けられていることが判ります。
Crypto3

 

 最後に実逓カバーも2通入手しました。下側の記念印は切手上でもはっきりとわかりますが、上側の方は、通常の切手に押した丸印はほとんど読めません。ただ、切手の外側に別途丸印が押されているので、7月23日発送と判ります。
Crypto4c

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2019年8月31日 (土)

世界初の暗号切手(仮想アイテム付き切手)

Cryptostamp1

 「郵趣」誌9月号49頁の記事をご覧になった方も多いかと思いますが、オーストリアから6月11日に世界初の「暗号切手(crypto stamp)」が発行されました。私は一応IT技術を専門とする大学教員で、仮想通貨のことを"crypto currency"と呼ぶことも知っていましたので、年初に発表された年間発行計画に「クリプト切手(当初は5月30日に発行予定)」と書かれているのを見て、何か仮想通貨と絡めた変り種切手が発送されそうだと予想していましたが、実際発行された切手は予想を超える本格的なものでした。
 実は、この切手はすぐに売り切れたため、「郵趣」誌の記事の協力を頼まれた時点では私自身も現物が手元に無く、ブロックチェーンに関する自分の知識と各種サイトの紹介記事を元に情報提供しましたが、先日ようやく現物を入手できましたので、より詳しくご紹介します。

 切手の外観(冒頭の画像参照)は左半分が切手本体で右半分がタブになります。全体はちょうどクレジットカードと同じサイズのプラスティック製で、黒とホログラム印刷、そしてタブには2箇所のスクラッチが施されています。この段階で、特殊素材、ホログラム印刷、スクラッチ付の変り種切手です。
 最大の特徴の「仮想アイテム付き切手」というのは、仮想通貨の特徴であるブロックチェーン技術を活用した仮想アイテム(限定版のデジタル画像)が当初各切手に1個ずつ附属しているというものです。そして、仮想アイテムだけを分離して取引できるのです。仮想通貨として1番普及しているビットコインのブロックチェーンでは仮想通貨の単純な取引しかできませんが、2番目に普及しているイーサリアムでは仮想通貨の取引以外に簡単なプログラム(「スマートコントラクト」と呼ばれます。)を実行させることができます。そのスマートコントラクトの仕組みの内のERC721という規格を使うと、仮想アイテム(正式には「NFT:Non Fungible Token(非代替トークン)」と呼ばれます。)を発行・取引することができるようになります。今回の暗号切手は、このERC721規格を利用しています。

 仮想アイテム(限定版のデジタル画像)といってもピンと来ない方も多いと思います。ソーシャルゲーム等の中で使うレアなキャラクターや強いアイテムをイメージすると良いでしょう。例えば、クリプトキティというアプリでは、猫型のキャラクターを育てて売買するといったことが行われています。デジタル画像の画像自体は何枚でも複製できますが、ゲームアプリ等で使えるのは原本の所有者だけです。その所有者をブロックチェーン上のデータベースと連動させて管理しているのです。

 今回の暗号切手で用意された仮想アイテムは赤色、黄色、青色、緑色、黒色(実際はグレー)の5種類のデジタル画像という単純なものですが、それぞれの出現数は、赤1,500、黄10,000、青20,000、緑40,000、黒78,500と差が付けられています。つまり赤色の画像は非常に少なくレアなアイテムだといえるでしょう。実際にebayでは赤色の切手が20万円以上の高値になっているようです。

 言葉だけでは判りにくいので、実際に操作してみましょう。まず仮想アイテムの色についてはスクラッチを削らずに確認できます。切手本体のQRコードを読みこむか、オーストリア郵政の暗号切手専用サイト(次の画像)でタブの[1]に印刷された文字列(5桁または6桁、極まれに4桁の切手も有)を入力して確認します。
Cryptohp1

 冒頭の画像の2枚の切手の文字列"5ojHFA"と "2sEhqZ"を入力してみます。
Cryptohp2 Cryptohp3
 それぞれの仮想アイテムの画像は、黒色(実際はグレー)と緑色だということが判ります。
  実は今回、運の良いことに黄、緑、黒の3色が入手できました。その内、黒と緑を1枚ずつ使って紹介しています。

 また、画像の下の文字列の2行目には、この仮想アイテムを現時点で保有しているイーサリアムのアドレス(42桁の文字列)が表示されています。今回、黒色画像では"0x9d60D760e3E288B83E63D9F36718A5bc24bF65c3"、緑色画像では"0x123dA47d668Bf48d4947CD816146dEB0A04A6b40"と表示されています。
 実は、これらのアドレスは、切手のタブのスクラッチで隠されている[2]の部分と同じです。つまり、この[2]のアドレスは、スクラッチを削らなくても確認できるのです。
 少しもったいないですが、黒色の方のスクラッチを削ってみました。
Cryptostamp2

 次に、アドレスのすぐ下の"ken Sie hier"と書かれたリンクをクリックすると、下のような画面になります。

Cryptohp4
 これは、ブロックチェーン上のデータベースと連動した画面で、アドレス"0x9d60D760e3E288B83E63D9F36718A5bc24bF65c3"が現在保有している仮想アイテムの数(画面中央部分の「1」という数字)とその画像、画像の文字列(5ojHFA)等が表示されます。
 さらに注目すべきは、各アドレスには、仮想通貨イーサリアムも付いている点です。0.001666666666666666 ETHという表示がそれで、これは切手発行当時の時価で換算すると約50円相当の価値になります。仮想アイテムを送信する際の手数料としてイーサリアムが必要なため、サービスとして付けられたのでしょうが、額面の他に50円相当の仮想通貨も付いているというのは非常にお得ですね。

 最後に、この仮想アイテムの取引を行います。取引を行うには、前述のERC721規格に対応したイーサリアムのウォレット(送受信ソフト)が必要ですが、仮想アイテムだけを送信するならこの暗号切手専用サイトに用意されている簡単なウォレット機能が使えますので、とりあえずはこれを使ってみます。
 ウォレットの他には、スクラッチに隠れていた[3]の暗号キーと送信先のアドレスが必要です。ここでの注意事項は、送信先のアドレスはイーサリアムのアドレスなら何でも良いわけではなく、ERC721に対応したアドレスに限られます。対応ウォレットで生成されたアドレスや暗号切手で使われているアドレスはOKですが、仮想通貨取引所から付与されたアドレスはNGです。

 今回は、先に紹介した緑の画像が納められているアドレス"0x123dA47d668Bf48d4947CD816146dEB0A04A6b40 "宛に送ってみます。
 暗号切手専用サイトのウォレット機能は、最初に画像の色を表示した画面の下部に有ります。そこの「Transaktion Starten」と表示されたボタンを押します。
Cryptostamp4
 送信先のアドレスを入力して「Weiter」をクリックし
ます。
 
Cryptostamp51
 [3]の暗号キーを入力し、「Weiter」をクリックします。QRコードを読み込む場合は、スクラッチ屑を完全に取り除いてください。
Cryptostamp6
 送受信先のアドレスを確認したら、「Transaktion absenden」をクリックします。
Cryptostamp7

 イーサリアムはビットコインよりも送信が早く、1分ぐらいで送信が完了し、画面が切り替わります。黒色"5ojHFA "の画像を保有しているアドレスが送信先の"0x123dA47d668Bf48d4947CD816146dEB0A04A6b40"に変わっています。また、8月31日付けの取引履歴が追加されています(下の画面の最終行)。
Cryptostamp8
 "Klicken Sie hier"の部分をクリックすると、最初は緑だけだったアドレスに黒が追加され、現時点で2つの仮想アイテムを保有しているアドレスとなったことが判ります。
Cryptostamp85

 反対に送信元の"0x9d60D760e3E288B83E63D9F36718A5bc24bF65c3 "アドレスの保有する仮想アイテムは0になっています。また、イーサリアムの残高も0.001158165166666666 ETHに減っています。
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 以上が、暗号切手の特徴と仮想アイテムの取り引きのレポートです。また追加情報があればお伝えしていきます。

 

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2019年8月25日 (日)

レンティキュラー切手いろいろ(2)

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 ニュージーランドからも、今年5月に「宇宙開拓者」と題したレンティキュラー切手が発行されました。
 同時発行の単片切手(通常の紙製切手)には、ニュージーランド人の宇宙飛行士が描かれていますが、このシート内の切手の図案は、ボイジャー1号、スペースシャトル、月面着陸(2種)と、アメリカの宇宙開発関連の図案だけです。

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 また、前回お伝えした北朝鮮からも、4月にもう一点レンティキュラー切手が発行されていました。
 北京で開催された「世界園芸博」を記念した小型シートで、同じく無目打切手も発行されました。

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2019年7月29日 (月)

レンティキュラー切手いろいろ(1)

Russia3d

 しばらくブログの更新が停滞している間に、色々な国からのレンティキュラー切手が届きましたので、順次ご紹介します。

 はじめは、昨年にロシアから発行された年賀切手のレンティキュラーシートです。3×3=9枚の正方形の切手を納めたシートで、全体がレンティキュラーとなっています。通常印刷のシートの他に発行された特別版で、紙製の2つ折の台紙に直接貼り付けられています。

 次は、北朝鮮が今年4月30日に発行したとされるレンティキュラー切手の大型セットです。インドの切手商を通じて購入しました。
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Nkoreaz2
 まずは、中央動物園60周年記念のレンティキュラー切手で、単片6種と小型シート1種のセットで、どちらも立体視タイプのレンティキュラーです。また、同じ図案の無目打切手も発行されました。

Nkoreab1 
Nkoreab2
 同日に、中央植物園60周年のレンティキュラー切手も発行されました。こちらは傾けると図柄が切り替わるタイプの単片5種と、ひょうたん型切手を納めた立体視タイプの小型シート1種のセットです。これについても無目打切手が発行されています。

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2019年1月 6日 (日)

ユーカリの香り付き&スペインのプレミアムシート

Scentspa

 スペインが昨年11月に発行した、ユーカリの香り付き切手が届きました。
 画像のシートの上部に、ユーカリの葉の形をした変形切手が6枚納められています。
 紙質は少し厚めです。
Glasssspa
 また、スペインでは、通常の切手シートの他に、プレミアムシートという特別シートが発行されることがありますが、これまでは郵政のWebサイトからは直接購入できませんでした。しかし、昨年秋に突然このプレミアムシートも購入できるようになり、便利になりました。
 早速、先日このブログでも紹介した、アセテート製の透明切手(10月発行)のシート(7枚+タブ1枚)や、6月に発行された、チェスの駒型の示温インク切手(温めると駒の色が黒から白になりますのシート(8枚)を購入しました。
 また、2016年3月に発行された、旗付のプレミアムシートも在庫があったので、1シート購入しました。
Chess2spa

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2018年12月24日 (月)

オーストリア変り種切手のプルーフ等

Austria20181

 2018年も終わりに近づきましたので、今年入手した新切手以外のアイテムをいくつかご紹介します。
 画像上は、2008年にオーストリアで発行された、ポリウレタン製切手とレンティキュラー切手のプルーフ(試作)です。
 左のポリウレタン製切手は額面が"000"、右は"545"(正規の切手は額面"375")となっている点が一番の違いです。また、両者とも個々の切手を取り外すための型抜きがない、無目打状態です。
 また、ポリウレタン製切手については、型抜きのみが無い切手の田型も入手しましたので、併せてご紹介します。(画像下)
 こちらは、プルーフではなく、エラー切手に分類されると思います。
Austria20182

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2018年12月 9日 (日)

スペインの変り種切手色々

Woodtransspa

 スペインでは、先にご紹介したゴム製切手以外にも、ここ数か月の間に様々な変り種切手が発行されています。

 最初の画像左側は、9月に発行された木製切手で、オセアニアを発見した探検家のアルバロ・デ・メンダーニャ・デ・ネイラを描いています。昨年11月に発行された木製切手の続編とも言うべき切手ですが額面は3.3EURと高くなっています。
 最初の画像右側は、10月に発行された、ステンドグラスを描く、アセテート製の透明切手です。画像では判りにくいですが、ステンドグラスの形に型抜きされた変形切手です。
Hamspa
 2番目の画像は、10月に発行された「生ハムの味付き」切手です。Webサイトの説明に"Offset and ham flavour"と書かれているので、ハムの味が付いているのは確かですが、インクに付いているのか、裏糊に付いているのかは説明文だけでははっきりしません。実物の切手が届いて裏面を見ると、裏面に生ハムのような模様が付いていますので、おそらくは裏糊の中にハムの味が付けられているのだと思います。ただ、匂いをかいでみてもそれらしき匂いはしません。
Sandspa
 3番目の画像は、高速列車を描く切手で、黄土色の部分に砂が混入されているものです。これも10月に発行されました。
 

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2018年11月19日 (月)

中央アフリカのスクラッチくじ付切手

Macaoscratch

 9月にマカオで開催されたアジア国際切手展の会場で販売された小型シートが届きました。
 全体が寺院の建物の形をした変形シートで、扇形の切手が4枚納められています。これだけでは珍しくはありませんが、シート下部にスクラッチのくじが付いているのが注目されます。"WIN YOUR STAMPS"と書かれていますので、賞品は切手だったようです。

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2018年10月21日 (日)

米国の薄型レンティキュラー切手

3dusa

 少しご紹介が遅くなりましたが、8月にアメリカでもレンティキュラー印刷切手が発行されています。シルクハットからウサギが出てくる手品をコマ送りで見られるもので、同図案の永久切手が3枚収められた小型シートです。
 届いたシートを手にとって驚いたのは、レンティキュラー切手にしては薄いことでした。レンティキュラーレンズの凸凹も、良く見ないと判らないぐらいのきめ細かさです。これだけきめ細かいレンズだと、誤差による図案のズレ等の危険があるはずですが、それをクリアした高度な技術で製造されているようです。
 また、比較的安価(数百円)で買えたのもありがたいことです。

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2018年9月25日 (火)

ブータンの超立体切手

3dbhu

 最近は、レンティキュラーレンズを用いた切手の発行はそれほど珍しくなくなりましたが、8月に本家のブータンからも久しぶりに発行されました。
 ブータン初の人工衛星を記念した切手で、人工衛星の写真と、ブータンの代表的な建物(寺院)が交互に現れます。この複数図案切替タイプのレンティキュラー切手は、ブータン初となります。
 と思ったところで、レンティキュラーレンズの向きが変なことに気づきました。通常、立体視タイプの場合は(左右の視角のズレを利用するため)レンティキュラーレンズを縦縞にして使い、複数図案切替タイプの場合は(左右の目で同じ図案を見るため)横縞にして使うのですが、今回の小型シートは縦縞にして使っているのです。
 さらによく見ると、人工衛星と寺院のそれぞれの図案が立体的に浮かび上がっていることが判りました。つまり、この切手は、立体視の図案が2種類切り替る、ハイブリッド型の超立体切手ということになります。
 発行数は、購入したインドの切手商によると4,000シートだそうで、裏面にはシリアル番号も入れられています。
 この切手商は、ブータンからの実逓便も送ってくれたのですが、残念なことに、切手の上には消印が押されていませんでした。
3dbhuc
 
(2018年10月10日補足)
 発行枚数ですが、別のニュースでは、5,000シートとされています。
 また、このブータン初の人工衛星は、日本の九州工業大学のプロジェクトとして開発されたものだそうです。ブータンからの留学生4人も参加しています。

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