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2024年12月

2024年12月16日 (月)

オーストリアのフロック製切手

Flocaus
 最近、恒例となった感のあるオーストリアのフロック加工紙製切手の最新版が届きました。
 今回はスノーブーツ型です。

 過去には、2021年の手袋型(キャンバス製)、2022のウール帽子型、2023年のウールセーター型、が発行され、今回で4回目です。
何かスイスの芸術促進シリーズと同じような展開ですが、オーストリアの方は今回で完結になるようです。
 完結を記念して、4種全部のセットも別途発売されました(切手自体は単片で発売されたものと同じです。)。縦に三つ折りになっている紙製フォルダに収められています。
Flocausf1
Flocausf2

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2024年12月15日 (日)

スイスの竹繊維切手

Bamboo
 「郵趣12月号」P50で紹介されている、スイスの「芸術促進」シリーズの最新版が届きました。
 このシリーズは、2021年にキャンバス生地切手、2022年に葉緑素入り切手、2023年にセメント粉添付切手が発行されています。今回はその第4弾で、竹の繊維の用紙に印刷されています。
 図案は、画家のMirko Baselgiaの「re-respirar」という作品を原画にしたもので、 植物・動物・人間の相互依存関係を象徴する想像上の木を描いているのだそうです。

 竹の繊維と言えば、1948年にベトナムで発行された竹紙製切手が恐らく最初です。この切手はその後改値加刷も出ており、かなりバラエティが豊富です。なお、日本では竹紙(ちくし)と呼ばれていますが、おそらくベトナムで作られているpoonah paper製だと思います。

 今回の竹繊維切手は、ベトナムの切手の様に竹の繊維がはっきりと判るものではありません。しかし良く見ると、表面が少しザラザラした質感です。

 

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2024年12月13日 (金)

ブータン・レコード切手の試作品(エッセイ)を入手

Bhutanrecordessaydescription 

 先月の香港のオークションにブータンのレコード切手13枚とFDC1通のロットが出品されていました。残念ながら明らかな傷物も含まれるコンディションの悪いロットでしたが、見慣れない色の切手(白地(本当は透明)に緑の印刷)が目につきました。オークションの画像を良く見ると、発行されていない額面(6NU)でデザインも少し異なるではありませんか。さらに探すと、緑色の切手にも1枚、額面6NUの切手が含まれていることが判りました。ドキドキで自分が払える最大限の予算で入札したところ、ラッキーなことにほぼ未使用1セット分の値段で落札できました。
 冒頭の画像の上部2枚が額面・図案(国名表記、中央のAIR MAIL表示)・刷色の違うエッセイ(カラートライアル)です。実はブータンのレコード切手の表面をよく見ると、薄く刻印が施されているのですが、その刻印も違っています。これで、通常のレコード切手のインクを消して変造したものではないことが判ります。(英文の文字は私(荒牧)自身が記入したものです。)
Bhutanrecordgold
 なお、冒頭の画像では、緑の切手は同じ刷色に見えますが、並べて見ると、通常版は金色ですがエッセイ(カラープルーフ)は銀色(白ではありません)であることが判ります。(2番目の画像)

 海外のコレクターに情報を求めたところ、アメリカ在住の熱心なコレクターが、「(ブータン切手のエージェントを務めた)トッド氏のアーカイブから流出したカラー・トライアル・サンプルだ」「1980年代に1度、その後も1~2度オークションで見かけたことがある」という返信が得られました。「サンプル」というのは通常は実物見本のことですので試作品をそう呼ぶのは難しいです。また切手収集用語としての「カラー・トライアル」は最終デザインで行われるプルーフの一種ですので、デザインが異なる今回はこれも適切な呼び名ではなさそうです。発行された切手と異なる図案の試作品は収集用語としては「エッセイ」と呼ぶそうですので、私もエッセイと呼ぶことにします。

 他の色もあるのか?というのが気になるところです。上述のアメリカのコレクターに質問してみたのですが、私の英語力の乏しさもあってが、具体的な情報はまだ得られていません。しかし、常識的に考えて、他の色や大きなサイズのものが存在する可能性は高いと思います。

 さらに、送られてきたロットにはレコード切手の製造元の朝日ソノラマからトッド氏に宛てた手紙も同封されていました。
 内容は、トッド氏がバッテリー式のポータブル・レコードプレーヤーを探しているのに対して、製造中止になったが1,500台以上発注すれば60日で再生産は可能という趣旨の連絡をしているものです。(3番目の画像)
 おそらくトッド氏は、世界初のレコード切手のキャンペーンに使おうと考えたのでしょうが、1,500台も必要だとは思えませんし、60日かかるとレコード切手の発行日(4/15)に間に合いませんので、再生産の発注は見送られたと思われます(この点は私の想像です。)。
Bhutanletter
 残念ながら切手に関するものではありませんが、コピーではなく原本の手紙なので、この切手がトッド氏の元から流出したことを推測できる貴重な資料です。(ただし、この手紙自体が偽造されている可能性も否定できません。)
 トッド氏が探していた機種と思われるポータブル・レコードプレーヤーのカタログのコピーも同封されていましたので、ご紹介します。
Bhutanleaflet

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2024年12月 1日 (日)

世界最小の切手の第2弾

Spidersaus1
 以前(2022年)、オーストラリアが限定発売した盆栽図案の世界最小の切手をご紹介しましたが、翌2023年11月にも同サイズの切手を収めた小型シートが発売されていることが判りました。
 今回はPeacock Spiders という小型のクモを描いた切手で、小型シートは1種、その中に通常サイズの切手(commemorative size stamps)と超小型切手(tiny miniature stamps)が3種ずつ収められています。超小型切手のサイズは2022年の世界最小の切手と全く同じサイズ(6.5 x 9.375mm)です。発行数も同じ限定150セットです。
 なぜクモの図案を超小型切手にしたのかといえば、おさらくこのPeacock Spidersというのが幅5mm弱とすごく小さな種類で、それを実物大で印刷するのにちょうど良いというのが理由のようです。
Spidersaus2

 さらに面白いことに、このセットには、通常サイズの切手と超小型切手の中間サイズ(miniature size stamp)の切手も収められています。最初の画像の一番上のものが中間サイズの切手セットです。
 なお、全体のセットは、中間サイズの切手3種セット、中間サイズの初日カバー、中間サイズのメダル付き初日カバー、通常サイズの切手と超小型切手を収めた小型シートの計4点がフォルダに収められています。
Spidersaus3

 実はこの切手の発売の情報は半年以上前に知っていたのですが、オーストリア郵政のページを見ると海外向けには発送できないことになっており、日本から購入できないのがネックでした。販売期間が今年末に迫ってきたので、割高になるのを覚悟で現地の個人輸入代行業者の方に代理購入してもらい、ようやく入手できました。

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