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2024年11月

2024年11月30日 (土)

ポルトガルの松破片混入切手

Pinepor1
 7月に発売された、ポルトガルの松(松かさ)破片混入切手をご紹介します。「郵趣12月号」で紹介されているものです。
 これは、「王の松林」と題した切手セットの内の小型シートで、ディニス1世国王が農地への砂の飛来を防ぐための防風林として植林させた松林を描いています。
 最大の特徴は、左上の松の幹部分に松(pine)の破片が混入されている点です。拡大した画像は次の通りですが、肉眼でもはっきりとわかるほど大き目の破片が多めに混入されています。また、画像では判りにくいですが、小型シートの中の切手は、目打と型抜きを併用した変形切手です。
Pinepor3

 一緒に、フォルダーに貼られた初日印付きのシートも入手しましたのでご紹介します。ただし、スキャナーのサイズの関係で、3面あるうちの2面だけです。
 その中の説明文には、”This is the first time in the world that the thermographic technique has used pine mixed with the printing ink.”と書かれています。また、ポルトガル郵政の報道リリース文には、"Pela primeira vez no mundo, esta técnica termográfica recorreu à incorporação de pinhas na composição da tinta de impressão."との記述も見られます。ポルトガル語の"pinhas"は「松かさ(松ぼっくり)」という意味ですので、どうやら、現地で拾い集めた松かさを粉砕して混入したもののようです。
 ただし、松の破片を混入した切手としては2015年のニュージーランドの例がありますので、世界初ではありません。
Pinepor2 

 なお、同じく「郵趣12月号」P50で紹介されているスイスの竹繊維製切手も1か月以上前に注文しているのですが、まだ届きません。
 届き次第ご紹介します。

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2024年11月25日 (月)

オーストリアのコースター切手・メントール切手

Beeraus1
 2024年10月にオーストリアから発行された、「コースター切手」が届きました。画像の通りビールのコースターそのものを切手にした感じのもので、サイズは10cm四方、厚さは約1mmの厚紙製です。中央の部分のみが切手で、全体は小型シートになっています。

 コースターの裏側を見ると、切手部分の輪郭が裏側から型抜きされていることが良く分かります。スキャン画像では判りにくいですが、裏糊もひかれています。
Beeraus2

 今回も収友のおかげで実逓カバーを入手できました。ただし、コースター全体ではなく中央の切手部分だけの使用です。
Beerausc

 また、同時にメントール(「アンメルツ」等の筋肉痛緩和液や、たばこのフレーバーに使われているものです。)の香り付き切手も購入しましたので、ご紹介します。
Mentholaus


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2024年11月24日 (日)

スロバキアのビスコース使用切手

Viscoseslo1
郵趣10月号P51・71で紹介されていたスロバキアのビスコース切手がようやく本日届きました。ビスコースとは、レーヨンやセロファンの原料となる樹脂です。(こちらのサイトをご覧ください。)
私は勘違いしていたのですが、切手本体がビスコース製なのではなく、シルクスクリーンのインクにビスコース樹脂(液体)を使っているというだけのようです。
単片切手だと印刷の線が細いので、あまりビスコース樹脂の質感が感じられませんが、フルシートの右側のタブ部分に印刷しているCHEMOSVIT社のロゴマーク部分を見ると、べとっとした樹脂の質感が判ります。
Viscoseslo2
なお、郵趣10月号には「ビスコース繊維を使用した」と書かれていますが、これは誤訳で、「まるで紙の上にビスコース繊維が置かれているように感じる若干の盛り上げがある」というのがより正確な訳です。

印刷のインクに樹脂を使用することはよくあると思いますが、ビスコースを使用した例はこれが初めてとのことです。




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2024年11月 1日 (金)

モロッコの木製(複合材料型)切手

Wood1mor 
 2024年7月にモロッコから木製切手とその小型シートが発行されました。国王ムハンマド6世の御在位25年を記念した切手です。
 手元に届いた切手を見てビックリ。単純な木製切手ではなく、複数の層が重なって立体的になっているのです。横から撮影した写真をご紹介します。
Woodsidemor 

 モロッコ郵政のサイトによると、オーク材の薄板(placage de bois de chêne)、金色の金属箔(la feuille d’or premium)、厚紙(le papier graphique)を貼り合わせているそうです。
 私の観察によると、貼り合わせ順は、下から(1)セルフ糊の剥離紙(全面)、(2)オーク材の薄板(全面)、(3)金色の金属箔を施した素材(たぶん紙)(全面)、(4)オーク材の薄板(切手の縁と肖像部分)、(5)肖像を印刷した厚紙(肖像部分)、のようです。
 同時に発売された小型シートは。上述の(1)(2)(3)を貼り合わせたシート地に、後から手作業で(4)(5)を貼り付けています。この小型シートを紹介する動画もあり、貼り付け作業も少しだけ映っています。
 https://www.youtube.com/watch?v=WUXLJlpCawU
Woodssmor

 また、この切手のFDCと昨年12月に発行された透明素材製切手も併せて入手しました。
Woodfdcmor
Transmor

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