世界最初のコイル切手
珍しいアイテムを入手しましたので、ご紹介します。
画像(上)の切手ですが、"Dickie slot machine stamp"と呼ばれる、世界最初のコイル切手(自動販売機用のロール状の切手)です。ニュージーランドで1905年に製造されました。
当時Wellingtonの郵便局員だったDickie氏が切手の自動販売機を考案しました。そこで販売するためにロール状に巻かれた切手が必要だったため、自己資金で無目打切手のシートを購入し、それを細長く切ってつなげてロール状の切手を作りました。また、機械が切手を1枚ずつ送り出すために、切手の両側に大きな2つの穴が開けられました。
したがって、厳密には、ニュージーランド政府が製造・発行したのではなく、私製のコイル切手ということになります。このような私製コイル切手は、その後アメリカでも数多く作られています。
この自動販売機は、1905年6月に実際に郵便局の外に置かれて稼働しました。。最初の2週間で3,901枚も販売したそうですので、結構な人気だったようです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www.cvphm.org/SVM.html
http://www.nzedge.com/heroes/dickie.html
リンズの記事によれば、これより前の1903年にオランダのハーグの郵便局でコイル切手の実験が行われましたが、こちらの実験は失敗に終わったそうです。また、他にも多くの発明家が切手の自動販売機を考案していたようですが、実用化に至ったのはこのニュージーランドの私製コイル切手が世界最初となります。
なお、2005年には、ニュージーランドより、切手自動販売機100周年記念の「切手付封筒」が発行されました。(画像下・クリックすると拡大します)
封筒の下部に、当時制作された、ロール状のコイル切手が描かれています。
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