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2011年7月24日 (日)

新種の「消印」

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 最近イランから発行された変形切手を現地に注文して、今日届いたのですが、その封筒を見てびっくり、このブログでも以前紹介した、2006年発行のホログラム印刷切手が17枚も貼り付けられていました。(写真1枚目)

 別に頼んで貼ってもらったわけではないのですが、変わり種切手の実逓カバー(実際に郵便で使われた封筒のこと)も集めている私としてはうれしい限りです。 

 ただ消印が切手の極一部にしかかかっていないのが残念…と思ったのですが、よく見ると、切手部分がなんだか変です。よく見ると、"CANCELED"と読める文字が浮かび上がっているではないですか。(写真2枚目)

Iran2

 これは、いわゆる開封防止シール(一度貼り付けられたシールをはがすと、「開封済」「VOID」等の文字が浮き出るシール)に似ています。この切手のように全面がホログラム印刷の切手の場合、消印を押してもハッキリ見えず再利用されてしまう恐れがあります。そこで開封防止シールの技術を応用して、再度はがすと"CANCELED"という文字が浮き出るようにしたのでしょう。…といった仮説を立てたところで疑問が生じました。

 この封筒に貼られた切手は、一度はがして再利用したものではありません(そうであれば郵便物として無効になっています。)。また、未使用の状態の切手は表面がツルツルの剥離台紙に貼られており、そこからはがしただけでは文字は浮かび上がらないはずです。では、この文字は、どのタイミングで浮き出たのでしょうか?

 この疑問を解決するには、手持ちの未使用切手で実験してみるべきだ…ということで、ちょっともったいないですが、手持ちの未使用切手を実際にはがしてみました。

 まず、剥離台紙からはがしてみましたが、まだ文字は出ません。次にはがしたシール切手を台紙に貼り付けてみましたが、この段階でも文字は出ません。そこで、貼り付けたシール切手をはがそうとすると…切手の銀色の層ははがれず、表面の透明シート部分のみがはがれて、文字が浮かび上がりました。(画像3枚目)

Iran3_4

 
 これで疑問が解けました。まず、差出人は普通のシール切手と同じように封筒に切手を貼ります。そして、それを受け付けた郵便局員が、切手に消印を押す代わりに切手の表面の透明シートをはがすのでしょう。その証拠に、透明シート部分には、はがしやすいように縦に切れ目が入っています。(17枚もの透明シートをはがされた郵便局員の方、お疲れ様でした。)

 ただ、これだけでは、郵便局名や差出日が判りませんので、別途、封筒の余白に消印が押されているのではないでしょうか。というわけで、私の所に届いた封筒の消印が切手にほとんどかかっていないのは、消印に失敗したのではなく、最初から意図的に余白に押したもののようです。

 以上、長々と書きましたが、この方式は新種の消印ともいえます。ただ、なぜかこの切手に浮き出る文字は、いわゆる「裏焼き」になってしまっています(A.N.Lの3文字に注目してください。)。これは、エラーなのでしょうか、それともワザとなのでしょうか。

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