加刷切手の話題(3)-タンヌ・ツーバのラベル切手
タンヌ・ツーバのラベル切手への加刷をご紹介します。タンヌ・ツーバというのは耳慣れない地名だと思いますが、旧ソ連領のモンゴルに近い地区です。
この地区は、1930年代には独自の切手を発行していましたが、旧ソ連の一部になってからは、ソ連の切手が使われるようになったため、独自の切手の発行は途絶えていました。
しかし、冷戦集結時の旧ソ連崩壊時のどさくさに紛れて、旧ソ連の各地区から、多くの「ローカル切手」と称するラベル切手が市場に出回りました。タンヌ・ツーバもその例に漏れず、1930年代に発行していた変形切手を彷彿とさせるようなデザインの切手が何種類か販売されました。
その後の調べで、これら濫発されたラベル切手は、現地で切手として使えるものではなく、業者が勝手に作成したラベルだということが判明しました。こういった、切手ではないラベルのことを「シンデレラ」とも呼びます。
切手ではないのですから、私としては集める必要はないのですが、一応、資料として1セット買っていました。
ところが、最近になって、上記のラベル切手に「世界チェス選手権」の記念文字を加刷したものが出回りました。画像で判るとおり、8枚のブロックを中心に外枠で囲み、途中に存在するラベル切手を大胆に切断しているという、乱暴な加刷です。
この頃のラベル切手の加刷には、複数枚のブロックにまたがる乱暴なものが多いのですが、その中でもひどい例だと思います。
また、さらに困ったことには、この加刷ラベルは、台切手が6種×加刷のデザイン4種で、合計24種もあります。1枚1枚は安いのですが、さすがに24枚になるとそれなりの値段になってしまいます。
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