異国同居型切手帳?(その1)
画像(上)は、2006年にオランダが発行した、レンブラント生誕400年記念切手の切手帳です。
実はこの切手帳、近年オランダが「サプライズ切手」と称して発行している変わり種切手の一つとして企画されました。
どこが変わり種かというと、中の1ページに、オランダの切手と並んで、同時期にドイツから発行されたレンブラント切手を組み込んでいたのです。いわゆる異国同居型切手シート(切手帳)です。(画像下)
サプライズ切手ということで、このことは、発行当日まで秘密にされていました。そして発売当日、現地の収集家が中を見てビックリして大騒ぎになりました。この切手帳の発売数は少なかった(後日45,000セットと判明)こともあり、ドイツ切手収集家の注文も殺到し、すぐに価格が高騰しました。
ところが…。その後、この切手帳の「ドイツ切手」は、ドイツ政府の正式な許可を得て印刷されたものではなかったことが判明しました。そして、この「ドイツ切手」は切手ではなくただのラベルとされ、オランダ郵政は希望者からの払い戻しにも応じることとしました。
さらに、この「ドイツ切手風のラベル」は、オランダ国内に限って郵便に使用できるという特例も出されました。これは、郵便配達関係者がオランダの正規のレンブラント切手と見分けるのが難しいという理由からです。その結果、見かけはドイツ切手だが切手ではなく、オランダ切手ではないにもかかわらずオランダ国内の郵便に使えるという、ややこしいラベルが生まれました。
これらの経緯については、次のWebの12~14ページを参照して下さい。
http://www.jointstampissues.net/journals/35_2006_November.pdf
この情報は、最近、アメリカの収集家から教えてもらったものです。しかし、当時の日本では全くこの話を聞きませんでした。こんなに面白い話を3年半も知らなかったとは…。
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