ドーピング騒動の余波
2000年のシドニー五輪の際、オーストラリア郵政は、デジタル製版技術を活用して、自国選手が金メダルを獲得した翌日に「金メダリスト切手」を発行するという快挙を成し遂げました。このことは、世界中で報道されましたから、ご存じの収集家も多いと思います。
4年後のアテネオリンピックでは、ギリシャ郵政でも同様の技術を導入し、自国選手のメダリスト(金・銀・銅)切手の翌日発行を計画しました。
そして8月16日、重量挙げのLeonidas Sampanis選手が待望の銅メダルを獲得し、翌17日に早速同選手を描いたデジタル製版切手が発行されました(local digital版)。このデジタル製版切手は18日にも増刷され(national digital版)、さらに20日にはオフセット印刷版で増刷されました。
ところが、22日になって、Leonidas Sampanis選手のドーピングが発覚し、失格になってしまったから大変です。ギリシャ郵政はすぐにこの切手の発売を中止し、それまでの数日間に販売済みのものだけが市場に残されることになりました。
発売停止時点で印刷された枚数はデジタル版・オフセット版合わせて136,000枚(13,600シート)だそうですが、その内何枚が販売済みであったのかはハッキリしません。何しろ重量挙げはどちらかといえば地味な競技ですし、金ではなく銅メダリストだったので、発売と同時に飛ぶように売れた訳ではないようです。(あるWebサイトでは30,000枚(3,000シート)程度ではないかと推定していました。)
というわけで、このドーピング選手の切手は一躍「稀少切手」となり、価格もグンとアップしました。最新のHELLASカタログでは、デジタル版1シート(10枚)で600ユーロ、オフセット版1シートは120ユーロの評価が付いています。
話題の切手なので、私もebayで入手しましたが、さすがにシート買いする余裕はありません。デジタル版(画像)とオフセット版を1枚ずつ、バラで購入しました。なお、8月17日付のFDCはそれなりの数が作成されているようですので、次はFDCの実逓便の入手を狙っています。
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