2024年12月 1日 (日)

世界最小の切手の第2弾

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 以前(2022年)、オーストラリアが限定発売した盆栽図案の世界最小の切手をご紹介しましたが、翌2023年11月にも同サイズの切手を収めた小型シートが発売されていることが判りました。
 今回はPeacock Spiders という小型のクモを描いた切手で、小型シートは1種、その中に通常サイズの切手(commemorative size stamps)と超小型切手(tiny miniature stamps)が3種ずつ収められています。超小型切手のサイズは2022年の世界最小の切手と全く同じサイズ(6.5 x 9.375mm)です。発行数も同じ限定150セットです。
 なぜクモの図案を超小型切手にしたのかといえば、おさらくこのPeacock Spidersというのが幅5mm弱とすごく小さな種類で、それを実物大で印刷するのにちょうど良いというのが理由のようです。
Spidersaus2

 さらに面白いことに、このセットには、通常サイズの切手と超小型切手の中間サイズ(miniature size stamp)の切手も収められています。最初の画像の一番上のものが中間サイズの切手セットです。
 なお、全体のセットは、中間サイズの切手3種セット、中間サイズの初日カバー、中間サイズのメダル付き初日カバー、通常サイズの切手と超小型切手を収めた小型シートの計4点がフォルダに収められています。
Spidersaus3

 実はこの切手の発売の情報は半年以上前に知っていたのですが、オーストリア郵政のページを見ると海外向けには発送できないことになっており、日本から購入できないのがネックでした。販売期間が今年末に迫ってきたので、割高になるのを覚悟で現地の個人輸入代行業者の方に代理購入してもらい、ようやく入手できました。

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2024年11月30日 (土)

ポルトガルの松破片混入切手

Pinepor1
 7月に発売された、ポルトガルの松(松かさ)破片混入切手をご紹介します。「郵趣12月号」で紹介されているものです。
 これは、「王の松林」と題した切手セットの内の小型シートで、ディニス1世国王が農地への砂の飛来を防ぐための防風林として植林させた松林を描いています。
 最大の特徴は、左上の松の幹部分に松(pine)の破片が混入されている点です。拡大した画像は次の通りですが、肉眼でもはっきりとわかるほど大き目の破片が多めに混入されています。また、画像では判りにくいですが、小型シートの中の切手は、目打と型抜きを併用した変形切手です。
Pinepor3

 一緒に、フォルダーに貼られた初日印付きのシートも入手しましたのでご紹介します。ただし、スキャナーのサイズの関係で、3面あるうちの2面だけです。
 その中の説明文には、”This is the first time in the world that the thermographic technique has used pine mixed with the printing ink.”と書かれています。また、ポルトガル郵政の報道リリース文には、"Pela primeira vez no mundo, esta técnica termográfica recorreu à incorporação de pinhas na composição da tinta de impressão."との記述も見られます。ポルトガル語の"pinhas"は「松かさ(松ぼっくり)」という意味ですので、どうやら、現地で拾い集めた松かさを粉砕して混入したもののようです。
 ただし、松の破片を混入した切手としては2015年のニュージーランドの例がありますので、世界初ではありません。
Pinepor2 

 なお、同じく「郵趣12月号」P50で紹介されているスイスの竹繊維製切手も1か月以上前に注文しているのですが、まだ届きません。
 届き次第ご紹介します。

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2024年11月25日 (月)

オーストリアのコースター切手・メントール切手

Beeraus1
 2024年10月にオーストリアから発行された、「コースター切手」が届きました。画像の通りビールのコースターそのものを切手にした感じのもので、サイズは10cm四方、厚さは約1mmの厚紙製です。中央の部分のみが切手で、全体は小型シートになっています。

 コースターの裏側を見ると、切手部分の輪郭が裏側から型抜きされていることが良く分かります。スキャン画像では判りにくいですが、裏糊もひかれています。
Beeraus2

 今回も収友のおかげで実逓カバーを入手できました。ただし、コースター全体ではなく中央の切手部分だけの使用です。
Beerausc

 また、同時にメントール(「アンメルツ」等の筋肉痛緩和液や、たばこのフレーバーに使われているものです。)の香り付き切手も購入しましたので、ご紹介します。
Mentholaus


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2024年11月24日 (日)

スロバキアのビスコース使用切手

Viscoseslo1
郵趣10月号P51・71で紹介されていたスロバキアのビスコース切手がようやく本日届きました。ビスコースとは、レーヨンやセロファンの原料となる樹脂です。(こちらのサイトをご覧ください。)
私は勘違いしていたのですが、切手本体がビスコース製なのではなく、シルクスクリーンのインクにビスコース樹脂(液体)を使っているというだけのようです。
単片切手だと印刷の線が細いので、あまりビスコース樹脂の質感が感じられませんが、フルシートの右側のタブ部分に印刷しているCHEMOSVIT社のロゴマーク部分を見ると、べとっとした樹脂の質感が判ります。
Viscoseslo2
なお、郵趣10月号には「ビスコース繊維を使用した」と書かれていますが、これは誤訳で、「まるで紙の上にビスコース繊維が置かれているように感じる若干の盛り上げがある」というのがより正確な訳です。

印刷のインクに樹脂を使用することはよくあると思いますが、ビスコースを使用した例はこれが初めてとのことです。




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2024年11月 1日 (金)

モロッコの木製(複合材料型)切手

Wood1mor 
 2024年7月にモロッコから木製切手とその小型シートが発行されました。国王ムハンマド6世の御在位25年を記念した切手です。
 手元に届いた切手を見てビックリ。単純な木製切手ではなく、複数の層が重なって立体的になっているのです。横から撮影した写真をご紹介します。
Woodsidemor 

 モロッコ郵政のサイトによると、オーク材の薄板(placage de bois de chêne)、金色の金属箔(la feuille d’or premium)、厚紙(le papier graphique)を貼り合わせているそうです。
 私の観察によると、貼り合わせ順は、下から(1)セルフ糊の剥離紙(全面)、(2)オーク材の薄板(全面)、(3)金色の金属箔を施した素材(たぶん紙)(全面)、(4)オーク材の薄板(切手の縁と肖像部分)、(5)肖像を印刷した厚紙(肖像部分)、のようです。
 同時に発売された小型シートは。上述の(1)(2)(3)を貼り合わせたシート地に、後から手作業で(4)(5)を貼り付けています。この小型シートを紹介する動画もあり、貼り付け作業も少しだけ映っています。
 https://www.youtube.com/watch?v=WUXLJlpCawU
Woodssmor

 また、この切手のFDCと昨年12月に発行された透明素材製切手も併せて入手しました。
Woodfdcmor
Transmor

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2024年10月31日 (木)

オーストリアのトランプ切手

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 2024年5月にオーストリアから発行されたトランプ切手(「郵便」9月号P49参照)を遅ればせながら入手しました。大手トランプメーカーのピアトニック社の200年を記念した切手です。
 厚紙に印刷されたハート、スペード、クラブ、ダイヤそれぞれのAのカードがそのままセルフ糊式の小型シートになったもので、裏面は黄色地にオーストリア郵政のロゴマークがデザインされています(最初の画像参照)。
 それぞれのマークごとに10からAの4枚ずつがセットになって箱に入れられて販売されています。合計20枚ですが、切手(小型シート)として額面(4.5ユーロ)が入っているのはAだけで、他はおまけのカードです(画像2番目参照)。トランプとしては不完全なセットに思えますが、この20枚があれば、オーストリアで人気のシュナプセンというゲームを楽しむことが出来るそうです。
Card2

 カードセット(ハート)が入れられた箱の未開封(表)、未開封(裏)、開封後に展開した物の写真です。
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 なお、別の記事でご紹介しましたが、9月にオーストリアのインスブルックを訪問した際に、現地の郵便局でこの切手が販売されていたので、自分宛に実逓カバーを2通送りました。切手の端に段差があるので消印は不完全ですが、年号は読むことが出来ます。
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2024年10月 5日 (土)

ヨーロッパからの実逓便(スイス(2)・フランス編)

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最終日(9/18)ですが、昨日訪問したサルガンスの郵便局をまた訪問します。
前日は曇りでしたが、この日は晴れて、郵便局前の通りからの景色も楽しめました。

昨日と同じ窓口の女性にお願いしたのが、下の2種類のカバーです。
1通目は2022年に発行されたオーストリア・リヒテンシュタイン・スイスの3か国同居型小型シートです。
実は、9/16にインスブルック局(オーストリア)、9/17にファドゥーツ局(リヒテンシュタイン)で消印を押してもらっていました。最後のスイス切手(右端)は当初チューリッヒの郵便局で押印して差し出そうと考えていましたが、より確実に奇麗な押印をしてくれそうなサルガンスの郵便局にお願いすることに予定変更しました。
2通目は昨日も差し出した、面ファスナー添付切手です。手元に余っていたので、急遽追加で差出しました。
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サルガンスから、チューリッヒへ約1時間の移動です。ここではリンツ社が運営するチョコレート博物館を見学します。巨大なチョコレート・フォンデュ(本物のチョコが流れています)が出迎えてくれます。併設されたカフェで食べたパン・オ・ショコラとホットチョコレートのセットは絶品でした。
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チューリッヒから最後の訪問地・バーゼルへも約1時間の移動です。ここではピカソ等の絵で有名な美術館2箇所を訪問しました。

帰りの便はバーゼル空港発のトルコ航空です。
バーゼル空港でチェックイン後、フランスへ移動します(??)。というのもバーゼル空港のターミナルはスイスとフランスの国境上にあるので、少し歩けばフランスになるのです。ターミナルの通路にも「ここからフランス」という案内が出ていました。
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フランス側の案内所でポストの場所を尋ねると、建物の外だと言われました。そこにハート型切手を貼付したカバーを投函します。
今回の旅行で、ポスト投函が成功したのはここだけでした。
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これで4泊でヨーロッパ5か国を巡る忙しい旅行は終わりです。
最後に先にほぼ全滅したというオーストリア・インスブルックからのポスト投函カバーの内、かろうじて月日が読める2通をご紹介します。もう少し消印が濃ければ良い使用例になったのですが、残念です。
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2024年10月 4日 (金)

ヨーロッパからの実逓便(スイス(1)編)

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3日目に宿泊したスイス・サルガンスのホテルは"Hotel Post"という名でした。
ホテルのマークは郵便馬車でしたので、昔は郵便局も併設されていたのかも知れません。
現在は、ホテルの2件ぐらい隣に郵便局があります。
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郵便局の窓口で20通ぐらいの郵便を差し出しました。日本までの郵便料金を尋ねると「20gまでで2.5スイス・フラン(約420円)」とのこと。予想より高く結構切手を加貼しなければいけません。持参した切手だけでは足りず、窓口で追加購入して差し出しました。
ただ、窓口の女性は1通ずつ全部重さを測るほど几帳面な方で、消印も綺麗に押してくれました。この郵便局は大成功です。

2023年発行のビニールコーティングされたダック型切手の実逓カバーです。ビニールが反ってしまい、実用には向かない切手です。
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2023年発行の面ファスナー添付切手と、2024年発行の示温インク切手の実逓カバーです。
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裏面です。面ファスナー添付切手は、マキシマムカード用のハガキを、示温インク切手は宿泊したHotel Postの部屋に在ったハガキを使いました。
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2021年キャンバス生地切手、2022年葉緑素入り切手、2023年コンクリート粉添付切手の実逓カバーです。
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2023年のレーザー加工切手、2024年の穴あき切手の実逓カバーです。
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2024年10月 2日 (水)

ヨーロッパからの実逓便(リヒテンシュタイン編)

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ヨーロッパ旅行の3日目はスイス・サルガンスに泊まり、翌朝は駅前からバスで約30分のリヒテンシュタインの首都ファドゥーツへ向かいます。
上の画像は、ファドゥーツのメインストリートの東端です。ストリートの中心付近に市役所の建物と郵便局があります。
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郵便局の窓口で、準備してきた変わり種切手貼り封筒を差し出します。
まずは、刺繍切手を2種類。王冠の刺繍切手は5年前の発行ですが、やはり豪華で見栄えがします。またリヒテンシュタインの消印の日付部分中央の少し上に小さな王冠が描かれていますので、それともマッチします。白い刺繍切手は、2024年に発行されたばかりの切手です。
消印が読めるようにこの辺に押してくれと片言の英語で頼むと、こちらの意図を察知していただき、申し分のない押印をしてくれました。さらにPRIORITY郵便のラベルも貼ってくれました。このラベルはなぜかセルフ糊ではなく裏糊式で手間がかかるのです。
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2022年発行(2023年用)のレーザー加工の年賀切手は、現地で購入した絵葉書に貼付しました。不足額は20サンチームだけだったのですが、少額切手が無かったため1.2スイス・フランの切手を加貼しました。
手元に残っていた、ファドゥーツ城のレーザー加工切手(2023年発行)のカバーも作成しました。これと同じデザインで緑色のものが2024年にも発行されていますが、手元の在庫が無く現地でも売っていなかったので、これ1通のみの作成です。
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メインストリートから見上げると山の中腹に本物のファドゥーツ城が見えます。
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一番大きな土産物の奥には、切手コーナーがありました。相場よりはかなり高めです。
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ショーケースの中に、1,250セット限定だったルビー添付切手(変わり種切手図鑑P73参照)があってビックリ。
売価は500スイス・フランで結構リーゾナブルで迷いましたが、箱のふたを開けた状態で展示してあるので切手の状態に不安があり、購入は諦めました。後から思ったのですが、購入して実逓カバーとして送れば良かったかもしれません。
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2024年9月29日 (日)

ヨーロッパからの実逓便(ドイツ・オーストリア編)

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1日目の午後にフランクフルトからミュンヘンに移動して、2日目はフッセン(Fussen)郊外のノイシュバンシュタイン城を見学しました。上の画像は城近くの展望所からの写真です。
ドイツのハイジ切手とセットだった「長靴下のピッピ」の切手が余っていたので、土産物店で絵はがきを買って、城へ行く道沿いのポストから投函したのが次の画像です。消印には地名ではなくBriefzentrum(郵便センター)と書かれています。
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 3日目はミュンヘンからオーストリア・インスブルック経由でスイスに移動しました。途中のインスブルックはチロル地方の中心都市で、かのスワロフスキーの本社とスワロフスキー美術館があります。
 実はドイツ・オーストリア国境付近が数日前から大雨で、予約していた途中列車が運休になってしまいました。急遽、高速バスの予約を取って移動はできましたが、インスブルックの滞在時間は1時間減って5時間だけでした。
 まずはスワロフスキー美術館へ。ここの入口は森の精をイメージした大きな顔で、、2004年発行の最初のクリスタル・ガラス添付切手の背景にも描かれています(次の画像)。
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 中にはクリスタル・ガラスで構成された様々な展示がありますが、中でも印象的だったのが、あの草間彌生さんが手がけたシャンデリアと鏡を組み合わせた展示です(次の画像)。CHANDELIER OF GRIEFというタイトルがついていました。これを見ただけでも訪問した価値がありました。
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 インスブルック駅に戻って、駅前の郵便局で郵便を差し出します。「ここに消印を押してくれ」と片言の英語で頼んで、何とか局名と年号が読めるカバーを作ることが出来ました。2019年発行のクリスタル・ガラス添付切手と2016年発行のチロル地方の民族衣装を模した刺繍切手で、どちらも数年前の発行ですが、インスブルックにちなんだ切手です。
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 郵便局窓口では5月に発売されたトランプ切手(「郵趣」9月号P49・50参照、当ブログでも近日中にご紹介します。)が販売されていました。急遽2セット購入して差し出したのが次の画像です。「日付が読めるように消印を押してくれ」と頼んだのですが、局員さんは「これは段差があるから無理だ」といって無造作に押印されてしましました。でも一応24年ということは判りますので一応コレクションに入れることが出来ると思います。
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 その他、街中のポストに数通の郵便を投函しましたが、消印の読めるものはなく全滅でした。残念です。

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